11月6日、松葉がに漁が解禁しました!
店舗の売り場も様変わり。鮮やかなオレンジ一色に染まっています。さて、今年のカニの値段が気になるところですが、今回は「日本三大おろか話」のひとつと言われる『佐治谷(さじだに)ばなし』※1の中から「カニのふんどし」という物語をおひとつ。
むかしむかし、佐治谷の山奥に住む若衆が海沿いの村からお嫁さんをもらい、ある冬の日、お嫁さんの里に招かれて食事をご馳走になることになりました。このことを知った男の両親は、田舎育ちの息子は礼儀作法を全く知らないので、嫁の実家で恥ずかしいことをしでかしはしないかと大変心配しました。そこで、時節柄カニがご馳走に出てくるに違いないと考えた両親はカニはまず、「ふんどし」をはずしてから食べるのが作法だ、と出発の日の朝息子に教えました。
……さてさて、いよいよ夕食の準備が整い、お膳には予想通り大きなカニが出てきました。男は「これだ!」とおもむろに立ち上がると得意げに袴を脱ぎ、自分のふんどしを外し、きちんとたたんでからゆっくりとカニに箸をつけた。
という笑い話。
物語中の「ふんどし」とは、カニの甲羅の中にある三日月形をしたエラ(ガニ)のことを指します。
さて、これから年末にかけて売り場はカニ一色となり、私たちはお客様に美味しい松葉がにを提供していかなければなりません。そうです。「ふんどしを締めてかからないと」、いけません。
※1 佐治谷ばなし…鳥取県東部に伝わる民話。鳥取市指定無形民俗文化財。