カニは食ってもガニ食うな | 株式会社中村商店
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2021年01月15日カニは食ってもガニ食うな

「カニは食ってもガニ食うな」と、お聞きになられたことはありますか?

カニを食べる際、カニみそなどがいくら美味しくても、近くにある「ガニ」まで食べるな。という意味の慣用句です。


「ガニ」とは、蟹のエラのこと。甲羅を外すと、お腹のあたりにある三日月のような形をしたところです。

エラは海水に含まれる雑菌をためやすく腐りやすいと言われています。今ほど鮮度を保つ技術が発達していなかった頃、思わずエラの部分も食べてしまい食中毒を起こすことが多かったのでしょう。いつの頃からか「カニは食ってもガニ食うな」と言われるようになりました。「ガニ」は、決して美味しい部位ではありませんので、食べずに捨てましょう。

ところでカニって、「カニ刺し」や「カニしゃぶ」など前に言葉がつかない場合は「カニ〇〇」ですが、前に言葉があると「焼きガニ」や「茹でガニ」といったように、「〇〇ガニ」になりますね。生物図鑑に載っている『カニのなかま』に属するカニの名前も、すべて「〇〇カニ」ではなく「〇〇ガニ」なんだそうです。

確かに図鑑の中のカニの名前は、サワガニ、ズワイガニ…と、「〇〇ガニ」です。これは日本語にはよくあることで、「連濁(れんだく)」と言われています。二つの言葉が結びついて一つの言葉になる場合、後ろの語頭が濁ることが多いのです。貝やカレイも濁りますね。

日本には1000種類を超えるカニが生息していると言われています。そのうち食用として流通しているカニの種類は10種類ほど。食べない「ガニ」の方が多いですね。

食用ガニといえば、鳥取の冬の味覚の王様「松葉がに(ズワイガニ)」。松葉がにも「ガニ」は取って、美味しく召し上がってください。

 

 

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