松葉がにのカニばさみ | 株式会社中村商店
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2022年11月18日松葉がにのカニばさみ

こんにちは、魚屋「中村商店」の仲買人、仲買達人(なかがいたつと)です。

唐突ですが、大阪に住んでいたこともある影響か、吉本新喜劇が好きです。ベタベタな分かりやすいギャグで、舞台上で出演者が全員でずっこける様子は、オチがわかっていても思わず笑ってしまいます。

先日、吉本興業所属の芸人:池乃めだかさんが78歳の史上最年長で吉本新喜劇の座長として舞台に立たれたというニュースを聞きました。ギャグの多さで有名な池乃めだかさん、その中でもお気に入りは、やっぱり「カニばさみ」です。これを見ると、松葉がにの姿を思い出さずにはいられないのです。と、言うことで今回は11月6日に解禁された「松葉がに」について話します。

(参考:かにばさみ photo by wikipedia

松葉がにとは、鳥取近郊でとれる国産ズワイガニのオスのこと。メスのズワイガニを鳥取では「親がに」と呼んでいます。オスは成熟し、お気に入りのメスに出会うとをほかのオスに奪われないよう、しっかりと鉗脚(ハサミ)でメスを掴みます。その状態が数日続いたのち、メスがそのオスのことを気に入れば、カップル成立となります。

まさに池乃めだかさんのカニばさみのように、松葉がにはとても粘り強いのです。ギャグのように相手を油断させて、捕まえるってわけではないんですけどね。

ところで、親がにはどれ位の卵をお腹に抱えるかご存じでしょうか。メスは産卵した卵がふ化するまでの間、産んだ卵を守るため、大切に自分のお腹に卵を抱えています。

一度に産み出される卵の数は7〜10万粒で、初産は1年半、お腹に卵を抱えた状態で過ごし、卵を持った翌々年の1-3月に放卵します。ちなみに放卵時は、プレゾエア幼生というプランクトンとして孵出されます。その後脱皮を繰り返し、時間をかけてオスは松葉がにへと成長していきます。

ここでズワイガニの最大の謎の一つ。初産メスは産卵から放卵までは1年半かかりますが、経産メスは1年間と短縮されます。通常、卵は積算温度(経験した水温の和)で孵化日が決まるものですが、初産、経産個体の生息場所は若干の違いはあるものの、水温に大きな差はないため、なぜ半年も抱卵期間が異なるのかは、未だに分かっていないのです。どなたかその理由をご存知の方がいらっしゃいましたら当店(中村商店)までご一報ください!


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