仲買達人の鳥取お魚図鑑 危険生物編(1)(2)でご紹介したオニオコゼやイズカサゴのように、食べると美味しいけれど毒のある、触ると危険!な毒棘をもつ魚を今回は3種ご紹介します。釣りをされる方はもちろん、泥の中、水の中で見かけた際はご注意ください。
浅い海域や河口付近に沢山生息しています。背中全体が茶褐色で、体長は大きいもので1〜2mもあります。お腹側は真っ白ですが、昼間は砂地や泥場にじっと潜っていることが多く、一目で存在が分からないため、間違って踏んでしまわないように細心の注意が必要です。すり足で歩くとエイが人間に気づいて逃げてくれると言われています。
アカエイの尾は鞭のようにしなります。左右だけでなく上方向にも動き、怒ると尾っぽを立てて刺してきます。エイの中でも特にアカエイの尾は、刺さってしまうと抜けにくいです。よく見るとノコギリ状の歯があり、厚手のゴム手袋もブスリと切り裂くように刺さってしまいます。長靴などでも貫通し、刺されると長時間激痛を伴います。外し方によって棘が皮膚に残ってしまうこともありますので、刺されたら速やかに病院で処置を受けてください。
近年、住宅街の川にアカエイが泳いでいるとニュースで報道されることがあります。5〜9月頃はアカエイの繁殖期のため、干潟や浅瀬で見かけることが多いのです。アカエイは、汽水域(河川水と海水が混合する部分)の河口のようなところから、水深100メートルぐらいのところまで幅広く生息しています。
アカエイの方から襲って来ることはありませんが、アカエイは自分の身を守るために尾を振り回しますので、近寄らないようにしてください。
photo by wikipedia (撮影:Daiju Azuma)
アカエイと同様に沿岸で遭遇しやすいのが、ツバクロエイ。胸鰭が左右に大きく張り出し、幅が広い特徴的な姿をしています。燕(ツバメ)の飛ぶ姿に似ているからツバクロと名付けられたと言われています。
尾はアカエイに比べて随分と小さいですが、毒棘は存在します。幅が広い三角形の凧(カイト)のようで厚みもなく背面は緑っぽい灰色をしています。砂地に潜られると本当にわかりづらい。黒と白の縞模様の尾の付け根に白い毒棘を潜ませています。
ゴンズイはナマズの仲間で、口のところにおひげがいっぱい。10〜20cmほどの海水魚です。つぶらな瞳で見た目は可愛いのですが、背びれと両胸ビレの棘に、毒があります。刺されると、火傷のような強い痛みが数時間続き、水脹れになることも。毒棘はとても鋭く長いので、布の上からでも刺されてしまいます。サンダルなどで踏んだ時に突き抜けることもあります。テトラポットの隙間や、岩場の影など光の届かない場所などにいることもありますのでご注意ください。
幼魚はゴンズイ玉と呼ばれる群れを形成します。100匹以上で群れをなすこともあり、集団でウニョウニョ動く姿は、ちょっとホラーです。群れをつくるのは外敵から身を守るため。幼魚でも毒棘はあります。思わずタモでガバッと捕りたい気持ちがわいても、そこはグッと我慢してください。手を突っ込むのも危険です。集団での毒攻撃は想像しただけでも恐ろしいです。
いずれのお魚も死んでいても毒棘は存在しますので、絶対に素手で触らないでくださいね。この毒は熱に弱いので、棘を取り除き傷口を流水で洗い、お湯につけると良いと言われていますが、刺された時は出来るだけ早く病院で処置を受けてください。
【関連記事】
・絶対、触っちゃダメ!
・海でも毒針に気をつけて!