2022年09月09日サーモンの変

「今、サーモンに異変が起きている！」

女性、子供のみならず、日本人に愛され絶大な人気を誇るサーモンが大変なことになっています。回転寿司屋、居酒屋さんなどで比較的安価で食べることができていた「アトランティックサーモン」が今、高級魚になろうとしているのです。

アトランティックサーモンは北欧、主にノルウェーで養殖され、水揚げ後すぐに鮮度が高い（冷凍ではなく、生の）状態のままで直行便で日本に空輸されていました。ところが、近年状況が大きく変わってしまいました。

・ウクライナ情勢の悪化で、直行便での輸入が不可能となり、現在ではUAE・ドバイを経由した遠回りの輸入となった
・原油価格の高騰と飛行ルートの長距離化による輸送コストの増大
・円安による調達費用の増大

以上の要因からアトランティックサーモンの価格は一気に上昇してしまいました。また、輸送時間の増大から鮮度面でのアドバンテージも失ってしまいました。仕入れ価格は安定供給されていた頃に比べ1.5～2倍にもなっています。

そこで、私たち魚屋さんは、私を含めサーモン大好きな方へ少しでも安価でサーモンを提供できるよう、ノルウェーサーモンに替わる国内産の養殖サーモンに仕入れをシフトしていくことも試みています。以下、2種類のお刺身にできる代替サーモンを挙げ、沿革と特徴を紹介します。

【境港サーモン】
境港で養殖される銀鮭。大自然の栄養をたっぷり含んだ大山の湧き水で育ち、日本海は境港の海にもまれて成長。銀鮭は身が柔らかく本来は刺身には適さないと言われるが、その身は締まり、十分な歯ごたえがあり、サラッとした脂がのって口の中でとろけるような味わい。

【琴浦グランサーモン】

鳥取県琴浦町で養殖されるトラウトサーモン。大山からの地下水を濾過し、衛生管理された空間で陸上養殖される。トラウトサーモンは厳密にいえばサーモンではなく、養殖されたニジマスのことをいう。脂がのり十分な歯ごたえがある。動脈硬化の予防、中性脂肪を軽減すると言われる脂肪酸を多く含む。

以上2種のサーモンを紹介しましたが、イチオシしたいのは鳥取県内養殖という「鮮度」、「安全性」。価格面でも今のアトランティックサーモンの価格に比べれば安価で購入できます。

　最近の値上げラッシュから、鮮魚業界でも国内の種々の養殖魚が軒並み値上げとなってきていますが、皆様におかれましては、決してお魚離れされませんよう切にお願い申し上げます。