鳥取県魚の一つでもある「ハタハタ」。
脂ののった美味しい魚で、家計に優しく調理もしやすいことから、地元では赤ガレイと並び庶民の魚の代表として食卓に欠かせない食材です。近年この「ハタハタ」が漁獲量の減少で高騰が続いています。獲れるものは小ぶりなものが多く、20cmを超える大きな「とろはた」は入荷量も少なく、店頭で1尾500円を超える値が付くことも珍しくありません。
「ハタハタ」の不漁の原因として考えられているのが、資源量の減少、地球温暖化のよる海水温の上昇、乱獲などが挙げられています。
「ハタハタ」は日本海を広く回遊する魚で、主に秋田県沿岸と朝鮮半島東岸部で産卵し、両方から山陰沖に成魚が流れ込み豊富な餌を食べて成長します。この日本海の水温上昇が生育環境に影響しているのではないかと指摘されていますが、はっきりとした原因はわかっていないようです。
2022年(9月~翌年5月)シーズンは、鳥取県の漁獲量が約91トンと前年1255トンの1割にも満たない記録的な不漁となり「ハタハタ」を店頭で見かけることが少なくなった年でもありました(参照:鳥取県公式サイト「鳥取県の漁獲量・漁獲金額」)。2023年(9月~今年5月)は回復しているものの高値は続いている印象です。地元で愛されてきた「ハタハタ」が今後安定した漁獲量が確保できるよう願うばかりです。
5月も中盤に差し掛かり、底引き網漁終了まであと2週間となりました。
生の「ハタハタ」を使用した黄金色のふっくら脂ののった「ハタハタ一夜干し」、鮮度の良い「ハタハタ」のみで作る鳥取の郷土料理「ハタ寿司」は今の時期しか手に入れることができません。
他にも刺身や塩焼が美味しいモサエビ、煮付けに最適な赤ガレイなどいくつかの魚種も終了間近ですので、食べ損ねのないよう魚売り場をチェックしてみてください。
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