「意外」に美味しいんです「イガイ(貽貝)」 | 株式会社中村商店
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2023年08月25日「意外」に美味しいんです「イガイ(貽貝)」

夏場に食べる鳥取のふるさとの味の一つに「イガイ」があります。

見た目は洋食で使われるムール貝(ムラサキガイ)とよく似ていますが、日本沿岸で獲れる在来種で大きく育ち、味も良いとされています。しかし知名度のあるムール貝と違い出荷量が少ないため、市場では区別されることなく扱われることが多いようです。

殻は黒褐色で所々剥げており、殻長は20cm程度まで大きくなるものもあります。ずっしりと重量があり、殻の内側は光沢のある青色を帯びた真珠白色をしています。硬い糸のような足糸を分泌し岩場に付着します。

「イガイ」は磯の香りと濃厚な旨味が特徴で出汁がよく出ることから、汁物、炊き込みご飯がおすすめです。またプリプリの身はシンプルに炭火焼き、酒蒸しにしても美味しくいただくことができます。

鳥取では素潜りの漁師さんが天然岩ガキを獲る際に一緒に「イガイ」を獲っているため、夏場に出回ります。「イガイのすまし汁」や「イガイ飯」は夏の訪れを告げる一品として食卓に並びます。

最近ではサイズの大きいものは高値で取引されていますが、一昔前では漁獲量も豊富で一般的に食べられていました。筆者が幼少期の頃は「イガイ」の生のむき身を細い葛(かずら)や針金にいくつかまとめて刺したものが売られており、我が家ではそのむき身を甘辛く煮付けた濃厚な出汁で冷たいそうめんを食べるのが夏の定番でした。残念ながら今ではそのむき身を見かけることもなくなりました。

皆さんの夏の定番、懐かしい思い出の一品はありますか?
酷暑と言われる夏の暑さもまだまだ続きそうですが、暦の上ではもう秋です。季節が変わるまでに夏の食材をしっかり食べておきましょう。

 

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