「松葉がに」の特徴の一つに、大きな親爪があります。ハサミとも呼ばれ絵で描き表すときは強調されることも多く、いわばトレードマークです。
この親爪、餌を捕まえたり、固いものを砕いたり切ったりと手の役割をしています。また外敵から身を守るために攻撃したり、雌の親がにをハサミで捕まえ振り回したりと求愛行動に使ったりもしています。
人間と比較すると小さな生き物の「松葉がに」ですが、親爪で挟む力は驚くほど強力で、誤って指でも挟まれると「痛いっ!」とつい声が出てしまうほどの激痛が襲います。ハサミの部分は硬くギザギザしているのでしっかり挟まれ、振り払おうとしても逆に強く締め付けて放そうとしません。万が一挟まれたら、痛みをこらえ放してくれるのをじっと待つか、他人の手を借りて助けてもらいましょう。
(生きた「松葉がに」は、親爪のハサミが動かないよう留めてある輪ゴムが外れているこが稀にあります。十分に気を付けてお取り扱いください)
このように「松葉がに」の体の中で最も動かす部位のため、強靭で殻は硬く、引き締まったプリプリの身がぎっしり詰まっています。食感も他の部位と違い筋肉質で、旨味もしっかりあるので人気部位の一つです。
冷たい風が吹き、寒さも厳しさを増し本格的な冬の到来です。
鳥取を代表する冬の味覚といえば「松葉がに」。これからの季節にカニ鍋、茹でガニ、焼きガニなど冬の食卓を彩る食材で、心も体も温まりませんか?