今年の3月5日は、二十四節気の「啓蟄」。大地が温まり冬眠をしていた虫が穴から出てくる頃と言われます。暦の上では春。朝晩はまだまだ冷え込みますが、日中は穏やかな陽も差し込み暖かさも感じられます。
この時期セリ場で最盛期を迎えているのが『ホタルイカ』。
店先には今朝獲れの透き通った新鮮な『生ホタルイカ』、ふっくら丸く艶やかに釜茹でされた『茹ホタルイカ』。そして、乾燥することで旨味が凝縮された『干ホタルイカ』と自慢の逸品が並び、お好みの『ホタルイカ』をお選びいただけます。
この『ホタルイカ』、青白く光る蛍のように光ることから名付けられましたが、なぜ光るのでしょうか?
『ホタルイカ』の体にある発光物質ホタルイカ・ルシフェリンと発光酵素ホタルイカ・ルシフェラーゼの化学反応によって光ります。熱を持たない光で「冷光」とも呼ばれています。これはホタルなどが光る仕組みとほぼ同じだそうです。
光る理由として以下の三つが考えられています。
(1)外敵から身を守る
瞬間的に強い光を放ち目くらまし効果で威嚇し逃げる。
(2)外敵からのカモフラージュ
海面にいるとき差し込む光で影ができると外敵に狙われやすくなるため、発光することで影を消し自身の身を守る。
(3)仲間を識別する
青や緑、水色の光を使って仲間同士で意思の伝達をしたり、集団行動をすることができる。
まだ解明されてないことも多く謎に包まれた『ホタルイカ』ですが、暗闇のなか神秘的に光る姿は一見の価値がありそうです。
これから卒業式シーズン。様々な思いで定番曲「蛍の光」を聞かれることもあるかもしれません。「蛍」という漢字は光を放つという意味を持ちます。未来への旅立ちが希望に満ち溢れ、輝かしいものになりますよう願います。