寒い日が続くといつの間にか、猫背になってしまいませんか。
街中でガラスに映った背中がまぁぁるくなった自分を見てギョッとすることがあります。びっくりして視線を上げると見える景色が少し変わります。
寒くても「目線を上げて前を見る」
少し意識するだけでもちょっと歩きやすくなることに気づきました。人間は顔を上げて前に歩くようにできているんですね。確かに横歩きをしようとするとちょっと不自然な感じがします。
横歩きの達人と言えば、カニです。ズワイガニの体の横には、足が10本あります。うち2本はハサミになっているので手でしょうか、歩くために8本の足が使われます。
節足動物に属するカニの足には7つの節があります。
関節を曲げたり伸ばす腱(カニのスジ)とその周りにある筋肉(カニ脚の身)を使って足を動かしています。
カニの関節はそれぞれ可動域が異なり、動く方向も決まっています。この関節の動きを組み合わせて、足を伸ばしたり、折り曲げたりします。足は甲羅より後ろにはほとんど曲がらず、お腹側には曲げることができます。この仕組みを利用し、足を器用に動かしてカニは横歩きしています。
その姿を見て中国では、カニのことを権力にさからい我が道を行く君子(人格者)と例え、「横行君子」と呼ぶようになったそうです。
深い海に生息しているズワイガニ、陸で見るとあの細長い足で横歩きも得意そうとは思えないのですが、海の底で体を起こし、砂や岩の上を自由自在に歩いています。ハサミ部分も腱と筋肉を使って動かし、敵を威嚇したり防御したり、食事したり、ものを運んだりして暮らしています。
カニのように横歩きは得意ではありませんが、周りに左右されることなく、自分らしく一歩ずつでも前に進み続けていきたいものです。