「美味しい松葉がにの見分け方は何ですか?」
店頭で品定めされているお客様によく質問されます。
一般的に知られているのが
(1)甲羅が硬くずっしりと重い
(2)爪が大きい
(3)甲羅に黒いツブツブが付いている
などがあります。
(3)の「黒いツブツブ」とはいったい何でしょう。
蟹の甲羅に寄生する「カニビル」の卵です。ヒルと言っても吸血性のヒルと違い、蟹、人体ともに無害です。「カニビル」が生息する海底は柔らかい泥質で産卵に適した岩場などがないため、硬い蟹の甲羅に卵を産み付けます。蟹は移動範囲が広いため「カニビル」にとっても生活圏が広がり好都合なのです。そして成虫した「カニビル」は海底の魚類に吸い付いて体液を吸収し成長します。
ではなぜ松葉がにの甲羅に「カニビル」が付いていると良いのでしょう。
蟹は脱皮を繰り返して大きく成長します。脱皮後は体力を消耗して身がやせ細りますが、年数が経過するほど身入りが良くなり、その間に「カニビル」が多く付くと言われています。
水揚げされた甲羅に付いている「カニビル」の卵の多くは孵化後の殻だけになります。まれに体長10~15センチのミミズのような形をした成虫を見かけることもありますが、加熱処理、冷凍処理をすることで死滅します。
「活・松葉がに」をご購入・お届けする際、成虫はできる限り取り除くようにしていますが、付着している時は落ち着いて取り除くか加熱処理をしてください。決して人や蟹の体液を吸うわけではありませんのでご安心ください。
また加熱処理をすると「カニビル」の卵は剝がれやすくなるので見た目が気になるときは、茹で上がりにたわしで甲羅を洗うことできれいに取れ、甲羅にツヤも出るのでおすすめです。
『松葉がに』の身入りの良し悪しの証とされている「カニビル」の有無はまだ解明されてないことも多く、あくまでも一つの目安にすぎないという声もあります。
店員の私たちがお手伝いいたしますので、ご自身の目で見て触って、お気に入りの『松葉がに』を探してみてください。