クサでカニ釣り? | 株式会社中村商店
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2021年08月24日クサでカニ釣り?

風にサワサワとなびく不思議な植物。近所の雨樋に巻きついて伸びています。ちょうど日陰になっているのか、暑い日や風が強い日に見ても我関せず、美しい緑色をしていて涼しげです。

この植物の名は、蟹草(カニクサ)。フサシダ科カニクサ属のつる性多年草で、シダの一種。関東より西の地域によく見られるそうです。カニのような姿はしていないのに、「蟹」という字が使われているその理由は、「かつてこのシダのツルでカニ釣りをしていたから。」とか。

2、3mにも伸びるツルが釣り糸の代わりになったのでしょうか。餌をどのようにつけてどんなカニを釣っていたのか想像が膨らみますが、具体的にどのように釣っていたのかは、残念ながら定かではありません。しかし現在でもこのツルでカゴ編んだり、帽子にしたり、漁網にしている国があるそうです。蟹草は、沖縄で「ヤギを転ばすもの」という意味の呼び名があるくらい丈夫なのです。

この蟹草で編んだ網で、松葉がにを捕まえようとしたらどうでしょう。丈夫なツルと松葉がにのハサミの破壊力、どっちが強いと思われますか?松葉がには、魚、イカ、貝などを食べて大きく育ちます。針金のような太さの蟹草のツルはハサミで砕いてしまうかもしれません。

とはいうものの松葉がには、水深200〜500mもの海底で暮らしています。底引き網用に網を編むためにはとんでもない量の蟹草が必要となりますね。「蟹草で釣られていたのはサワガニかな。」と、風になびく姿を見て思いました。

 

 

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