「本当に美味しいカニを届けたい──粋京・渡辺板長 × 中村商店・中村社長 対談」 | 株式会社中村商店
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2025年10月04日「本当に美味しいカニを届けたい──粋京・渡辺板長 × 中村商店・中村社長 対談」

本当に美味しいカニとは、どんなカニなのか。
それを見極め、届ける人は、どんな想いで食と向き合っているのか──。

東京・銀座の京懐石料理店「粋京(いっきょう)」の板長・渡辺さんは、毎年冬になると中村商店の松葉がにを仕入れ、心を尽くした一皿に仕上げてくださっています。

今回は、渡辺さんと、中村商店の代表である中村の対談を実施。

ふたりが出会ったきっかけから、鳥取のカニの魅力、そして食への想いまでを語っていただきました。

 

鳥取・賀露港で出会った「本当に美味しいカニ」

―出会いはどのようなきっかけだったのでしょうか?

中村商店 社長 中村(以下、中村)

最初に渡辺さんとお会いしたのは、2018年頃でしたかね?

共通の知人の紹介でお付き合いが始まったと記憶しています。

 

粋京 板長 渡辺さん(以下、渡辺)
そうですね。以前から粋京に来てくださっているお客様の紹介でした。
他の地域で獲れたカニを提供した際に「このカニ、本物の味じゃないな」という話になったんです。

それで「本当に旨いカニを紹介してやる」と言われて、鳥取まで一緒に行ったんですよ。

そこで初めて、賀露港で水揚げされた松葉がにを食べた時に「え、カニってこんなに味が違うんだ…」って衝撃を受けました。

その時に「松葉がにをうちのお店でも使いたい」と思って、紹介いただいたのが中村商店さん。フィーリングで、この人は信頼できると感じましたね。

中村
フィーリングで信頼できると感じていただけたんですね(笑)

渡辺
僕は仕入れ先を決める際に、“モノ”よりも“人”の方が優先順位が高いんです。

もう少し具体的に言うと「食材を大切に扱ってくれる人」かどうかですね。料理人として、食材という命あるものを扱っているので、それを乱雑に扱う人はあまり好きじゃないんですよ。

でも、賀露港の競りを見せてもらった時に、中村さんがコンテナの上に乗って、すごい気迫でカニ目利きをしているところを見て、この人なら、ちゃんと食材を大切に扱ってくれそうだなと思ったんです。

中村
そういう意味では、本当に美味しいカニを届けるということは会社として大事にしていますね。

カニの配送を担当している社員も結構こだわりがすごくて、身入りの良いカニだけを送るっていう信念を持ってやってくれてるんですよ。

見た目だけじゃなく、手に持ったときの重量感、甲羅の硬さなどで判断しているんですが、身入りが少なそうなら送らないということは徹底しています。

渡辺
いつも非常に良い松葉がにを届けていただいて、とても感謝しています。

僕は届いた食材の品質に納得がいかなかったら、仕入れ先に電話するんですけど、中村商店のカニは納得がいかないことは滅多にないんですよね。

中村
配送でお届けしているカニは、お客様が直接手に取れない分、こちらの“目利き”がすべてなんです。だからこそ、お客様が「信頼して注文してくれる」ことを大事にしたい。ご自宅用の場合、基本的には茹でたカニをお送りすることが多いですけど「こんなに美味しいとは思わなかった」と言ってもらえるのが一番うれしいですね。

渡辺
東京でもカニは買えるんですけど、どこで獲れたカニなのか、いつ水揚げされたものなのか、そういうのが分からないものが多いんですよ。でも、中村商店のカニは、鮮度が良くて、身入りもよくて、何より味が違う。

中村
そこは本当にこだわってます。漁から上がったタイミングと発送のタイミングをきっちり合わせて、できるだけ“獲れたて”の状態に近いものをお届けできるようにしています。本当に美味しいカニを、“その時一番良い状態”で届ける。

それが、中村商店の目指している姿ですね。

味噌、身、香り──料理人が惚れ込む鳥取のカニの魅力

―鳥取の松葉がにの魅力はどのようなところにあるのでしょうか?

渡辺
やっぱりカニの味噌の色とかも全然違いますよね。
本当に良いカニの味噌だと、もう開けた時に、いいねってなります。量も違いますしね。

いろんな地域のカニを比べて、僕は鳥取のカニが1番いいなって感じています。

中村

料理人の方にそう言っていただけると、こちらも本当に励みになります。

渡辺
やっぱり育つ環境が違うんだと思うんですよ。

例えば、明石の鯛がなぜ美味しいのかっていうと、あの海域の渦の中で一生懸命泳いでるから筋肉質になって甘みが増すからなんです。それと一緒で、やっぱり漁場が良いから美味しいカニが獲れているっていうことなのかなと思います。

もちろん、個体差はあると思いますが、そこは中村さんが目利きをしてくださっているので、安心しています。

中村
ありがとうございます。実際、カニはサイズや、色、足の揃い方、身入りの良さなどで100種類くらいに分類されるんですが、全部が良いカニという訳ではないんですよね。

うちとしても、状態が悪いカニを仕入れてしまうことはあるので、そういう時は、店頭で訳ありとして安く販売するなど“キレイに損をする”っていう考え方でやらせていただいています。

渡辺
そういう商売ができる人って実は少ないですよね。中村商店は“当たり前”の水準が高いんだと思っているんですが、当たり前のことを、当たり前にやっていける人たちと仕事をさせていただくのは、僕は楽しいなと思うんです。

中村
私も粋京さんにうちのカニを使っていただいていることは誇りに思っていて、いろんな人に自慢しています。私は本気で、粋京さんのカニ料理は日本一、いや、宇宙一美味しいと思ってますから。

松葉がにを美味しく料理するうえで、特に意識されていることはあるんですか?

渡辺
僕が思う一番の贅沢って、1杯のカニを、部位ごとに違う食べ方で楽しむことなんです。脚、爪、味噌……それぞれ味も香りも違う。だから一律に茹でたり焼いたりするんじゃなくて、火の入れ方も変えるし、調味料も変えます。どうやったら、松葉がにの美味しさを最大限引き出せるかを考えて調理させていただいてますね。

正直に、誠実に、本当に美味しいものを届けるということ

―最後にお二人の食への想いを教えてください

中村
私は「本当に美味しいカニを届ける」ということを、ずっと大事にしてきました。

ただそれは、単に良いカニを選んで出荷するという話だけではなくて、本当に美味しいカニを、適正な価格で仕入れて、付加価値をつけて売るっていうことをやりたいんです。

安く仕入れて高く売るのが商売の基本、とはよく言われますけど、そればっかりやってると漁師さんが疲弊していって、漁業全体が立ちいかなくなってしまう。だから、漁師さんが獲った美味しいカニを、お客様に適正な価格で届け、そこで得た利益を漁師さんに還元する。その循環の“橋渡し”が仲買人の役割なんです。

渡辺
漁業が廃れてしまうということについては、僕もすごく危機感を感じていて、漁師になろうって思う方がどんどん少なくなっていくと、美味しい食事を供給することが難しくなってくる時代が来るんじゃないかなっていうことも懸念しているんですよね。

中村
だからこそ、ちゃんとしたものを、ちゃんとした形で届ける。「お客様にどう届くか」「どう食べていただけるか」までを考える。短期的な利益を追うのではなくて、長い目で見てカニの価値を守っていく。そういう当たり前のことが大事なんだと思っています。

渡辺
それ、すごくよく分かります。僕もやっぱり、料理人として「命をつなぐ」という意識を強く持っています。食材は生き物だったわけで、命をいただいて料理にしている。だからこそ、扱うときの姿勢とか、どう料理するか、どう食べていただくかまで、責任を持たないといけないんです。

お客様にとっても、カニ料理を食べる機会って、人生で限られた“特別な時間”です。その一回に全力で向き合うことが、僕たち作り手の責任だと思っています。

中村
そうですね。結局「当たり前のことを、当たり前にやる」積み重ねだと思うんですよ。正直に、誠実に、良いものを届け続けること。時間はかかるけど、それが次の世代の食文化を育てることにつながると信じています。

食材と真摯に向き合う渡辺様の想いに触れられるお店、「粋京」。

冬季限定で、中村商店直送の松葉がにを使った特別コースをご提供しています。

詳しくは公式サイトをご覧ください。

【京懐石料理 粋京 HP】https://www.ikkyo0704.jp/

 

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