今年のニューイヤー駅伝(全日本実業団対抗駅伝競走大会)で話題となった 「#カニ返して」。ある企業の先頭ランナーのウォームアップコートに大きく縦に書かれた切実なメッセージ「カニ返して」。実際に店舗で繰り返された盗難事件に対しての悲痛な叫びを表現したものでした。このメッセージは駅伝ファンの胸にささり、SNSで拡散され、テレビのニュースでも話題となり多くの方の目にふれることとなりました。
ハッシュタグ(#)は、その投稿の関連キーワードを示すものですが、鳥取産のズワイガニ「松葉がに」には、「赤タグ」が付けられます。水揚げされた場所を示すタグは、地域によって様々な色や形をしています。鳥取県の「赤タグ」は、白地に赤い文字で「とっとり松葉がに」と書かれています。よく見ると、小さく「キトサン入り因州和紙」という文字も。このタグは、鳥取県の伝統工芸品「因州和紙(いんしゅうわし)」に、カニ殻から生成される「キトサン」という物質を配合し作られています。
因州和紙の起源は定かではありませんが、奈良時代には既に存在していたようです。その後、平安時代や江戸時代の文書にもその名は登場。特に、書道や水墨画などに用いられる画仙紙の生産量は現在でも全国1位を誇ります。長期に渡り愛用されている手触りが滑らかな因州和紙と松葉がにがタッグを組んだ「赤タグ」。
ご購入された方は、カニだけでなく「赤タグ」にも注目してみてください。「赤タグ」が付けられるのは、甲羅の大きさが11cm以上の「松葉がに」です。サイズや姿の状態など様々な基準を超えたものにタグが付けられています。しかし、ただ大きく見た目が美しいだけでは美味しいカニとは言えません。大量のカニが並ぶ競り場でいち早く美味しいカニを見分けるのは、仲買人の目利き力。中村商店の店舗に並ぶ「赤タグ」は、自信を持っておすすめする安心のメッセージなのです。