殻を脱ぐ時 | 株式会社中村商店
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2021年02月12日殻を脱ぐ時


立春を過ぎると、もうまもなく新年度。新生活の準備はもう整いましたか?その前に卒業式というビッグイベントがありますね。小・中・高校・大学の卒業式は、子どもたちにとって大きな人生の節目。「随分と大きくなったな。一皮も二皮もむけたな。」と、子どもの成長が実感できる場ではないでしょうか。

一皮むけると言えば、「松葉がに」などの甲殻類は、脱皮を行うことをご存知ですか。「松葉がに」は、身体を大きくするために何度も脱皮を繰り返し、身詰まりの良いカニに成長していきます。

カニにとって脱皮は命がけの作業。時間をかけて甲羅部分から身体全身を抜き出します。
とても体力を使うため脱皮途中で命尽きてしまうカニもいるそうです。ある大きさまで育つと脱皮することをやめ、殻が厚くなり、筋肉(身)もしっかりとついていきます。このように成熟した雄のズワイガニを鳥取では「松葉がに」と呼びます。それに対してまだ殻が薄く、筋肉中にも水分が多い状態のズワイガニを「若松葉(わかまつば)」と呼んでいます。

一般的にミズガニとも呼ばれる「若松葉」の漁期は、2月の1ヶ月のみ。ズワイガニの未来を考え、鳥取では甲羅幅10.5cm未満の「若松葉」の漁獲を規制しています。

流通量が少ないため、食べられたことがある方は少ないかもしれません。身入りも「松葉がに」に比べると少ないですが、カニの甘みがたっぷり詰まっていると、地元では親しまれている食材です。

10年ほどの年月をかけて、ずっしりと大きくなる「松葉がに」。殻を脱ぐ度に起こる身の危険も顧みずチャレンジし続ける姿は、人にも通じるものがありますね。心身共に成長し、一人前の人間になるのに約20年? それ以降にも自分の殻を破るチャンスは何度も訪れます。節目節目を大切にいつまでも成長していきたいものです。

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