寒さが和らぎ春の訪れとともに売り場にお目見えする「甲いか」。身が分厚くコリコリとした食感、独特の甘みがあり、刺身はもちろん、加熱しても硬くならないので揚げ物、炒め物と何でも幅広く楽しめるイカです。
硬く大きな「甲」を持つのが特徴で名前の由来となっています。通常のイカと違い体内にサーフボードのような形をした白い貝殻(甲)を持ち、主成分は炭酸カルシウムで石灰質の軽く気泡を含む構造をしており浮きの役割をしています。
食べることはできませんが、止血効果が期待できる漢方薬(烏賊骨:うぞっこつ)や体操などのスポーツ業界では滑り止めとして、またインコやオウムのカルシウムやミネラル補給剤などに有効活用されています。
甲いかのイカ墨は肝機能を高め血中コレステロールや中性脂肪を減らすタウリン、細胞の再生やエネルギー代謝を促すビタミンB2、動脈硬化を予防しコレステロールを減少させる働きがあるとされるビタミンEなどを豊富に含みます。
そして最も注目される栄養成分がムコ多糖類です。タンパク質と糖が結合した栄養素で、皮膚などの水分を閉じ込め、肌に潤いを保つ働きがあるとされるヒアルロン酸や、関節の動きをスムーズにしてくれるコンドロイチン硫酸が含まれています。
また黒い色素の主成分はメラニンで抗菌作用や整腸作用、抗アレルギー作用があるとも言われています。
栄養価も高く、美容面での効果も期待できるイカ墨は、パスタ、リゾット、パエリアなど様々な料理で使えます。濃厚な味わい、磯の香りを楽しみながら栄養もしっかり摂れるのはうれしいですね。ぜひ皆さんもチャレンジしてみてください。
墨袋は冷凍保存しておくといつでも使えて便利ですよ。