日がだんだんと長くなり、暖かな空気と目に映る新緑に初夏の気配を感じるようになりました。
6月に入り鳥取の夏の味覚「天然岩がき(夏輝)」「白いか」の季節が来ました。同じくこの時期に旬を迎える魚があります。水上に飛び出し長く大きな胸ビレを使って水面を飛ぶ魚「飛魚(トビウオ)」です。
今回はこの時期にしか味わえない貴重な「飛魚」の卵についてご紹介します。
鳥取で飛魚は「あご」と呼ばれ、名産の「あごちくわ」や上品な旨味の「あご出汁」の原料となっています。卵は『あごの子』と言われ、6~7月に産卵期を迎え日本海に回遊してきた子持ちの飛魚から取れますが、僅かな量しか取れないため上等品として扱われています。『あごの子』は透き通ったオレンジ色で粒が大きく皮はややかため、もちもちねっとりとした口当たりが特徴です。
大量の「あご」の中から子持ちを選別し、卵を傷つけないよう丁寧に取り除く作業はとても手間がかかります。中でも大きく張りのある良質な『あごの子』は人気が高く、高値で取引されます。店頭に並んでいる「あご」の姿を横目に『あごの子』のみ買って帰られる方も珍しくありません。
食べ方は醤油、みりん、酒、生姜で煮付けるのが定番で、ご飯のおかず、酒の肴におすすめです。【材料(4人分)】
・あごの子 10本
・生姜 適量
・水 150cc
・醬油 大さじ2~3
・みりん 大さじ2
・酒 大さじ1
・砂糖 少々
【手順】
(1)沸騰したお湯を準備し、あごの子をさっと湯通しする。
※このひと手間で柔らかく煮付けることができます。
(2)鍋に水と調味料を入れて煮立て、あごの子と千切りにした生姜を加え中火で5分弱煮る。
(3)器に盛り、煮汁をかけお好みで針生姜を添える。
「あご」は卵だけでなくもちろん身も楽しめます。刺身、塩焼き、フライ、また旨味成分たっぷりの出汁も出るのでつみれ汁もおすすめです。
季節を感じる「あご」料理を是非楽しんでください。「あご?」が外れるほど美味しいですよ。